トップコラムドクターゴンのれんけあコラム 連載⑤ ~救命救急を救命したい!前編~

ドクターゴンのれんけあコラム 連載⑤ ~救命救急を救命したい!前編~

2021-07-19

東京女子医大救命救急センターの8床のICUは、常に満床に近かった。重症患者を受け入れるため、日々患者さんを一般病棟に移し、郊外の病院へ搬送したが、慢性疾患が増悪した高齢者は動かせないことがしばしばあった。不安定な病状や社会的な事情も原因だったが、元々ADLの悪い高齢者が重症化して重症管理が続くことが多かった。 高齢化社会になれば、状況はますます深刻化すると、私は真剣に考えた。救命救急の適は、本人や家族が心から救命されることを望む患者ではないのか?否、寝たきりの高齢者も大切な命で、家族のはずだ…。様々な葛藤の中、あるひとつの答えに辿り着いた。そもそも、救命すべきか看取るべきか、ということを、誰も真剣に考えていないのだ。 日常から自分と家族の命のあり方を考えておくべきで、命を扱う医者は、そのサポートをしなければならない。それには、患者の日常、家庭の状況を知るべきだと思った。
泰川恵吾

著者

泰川恵吾

医療法人鳥伝白川会理事長

平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島・神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。