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ドクターゴンのれんけあコラム 連載⑪ ~初めての在宅看取り~
2022-03-30
訪問診療を始めて半年経った頃には、受持ち患者の数が50人を超えた。その頃までは全てを自分1人でこなし、多忙を極めるようになっていた。
24時間対応で夜昼ない生活は救命時代とあまり変わらなかったが、医療への姿勢は大きく変える必要があった。今は、看取るべき命に対して処置せずにただ寄り添うことが理想だと考えた。始めたばかりの頃には在宅看取りを私に頼む患者、家族は中々現れなかった。
ある日、小学校の校長先生が、高齢で寝たきりの自分の母親を看取って欲しいと診療所を訪れた。自宅は宮古島の南西1.5km、橋で繋がった小離島来間島だった。初めて訪問した時から、食事も水分も摂れなくっていたが、家族は一切の処置を希望しなかった。
毎日訪問していると、次第に尿が出なくなり、呼吸も弱くなる。救命救急で慣らしてきた私は、処置に動きそうになる自分の気持ちを抑えるのに必死だった。静かに看取った後の家族の言葉は、救命した時より心に沁みた。
筆者プロフィール
泰川 恵吾(やすかわ けいご)
医療法人鳥伝白川会 理事長 ドクターゴン診療所
平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島、神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。

著者
泰川恵吾
医療法人鳥伝白川会理事長
平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島・神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。
