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ちょっとドキドキ在宅医療 往診専門クリニックの活躍
2023-12-11
~新しい在宅クリニック類型として認めるべき~
横須賀の衣笠病院附属在宅クリニックで週一回での訪問診療を行っている。ほとんどは定期的な訪問診療であるが、ときどき急患の往診にも行っている。
横須賀でも訪問診療の需要がうなぎ上りだ。2025年までに現状の1.4倍の需要増が見込まれる。このため衣笠病院附属在宅クリニックでも訪問診療医を募集して需要増に対応しようとしている。しかし来てくれる医師がなかなか見つからない。ネックの一つは横須賀が横浜から遠いことだ。著者も横浜の自宅から衣笠まで通勤している。クリニックの最寄の衣笠駅は横須賀線の終点の久里浜の一つ前の駅で、通勤には1時間以上もかかる。このためなかなか三浦半島の先端の衣笠まで来てくれる医師がいない。もう一つのネックは休日夜間の緊急往診対応のオンコール体制だ。このオンコール体制が医師には不人気で、訪問診療医の募集がままならない。
さてこんな悩みを解決してくれるのが往診専門クリニックだ。医療機関や自治体と契約して休日夜間の緊急往診に対応してくれる。たとえばファストドクターでは全国3500名の医師が24時間365日体制で在宅の患者から連絡をうけコール・トリアージを行い、30分以内に駆け付ける。そしてその結果を連携している医療機関に連絡してくれる。ファストドクターはコロナ渦において、在宅療養を行うコロナ患者の対応でも大活躍した。
さてこうした往診専門クリニックが2023年10月4日の中医協で問題となった。中医協では「訪問診療は行わず月間100回以上の往診を行う医療機関」、すなわち往診専門クリニックが問題となった。そしてこれらの往診は夜間・休日・深夜に多く、また往診が初診であることが多く、そして翌日の医療機関受診が少ないなどの特徴があるという。つまりこうした往診専門クリニックでは、かかりつけの患者ではない患者への休日夜間の往診、それも比較的軽症の患者の往診が行われているとされた。
中医協ではこうした往診専門の医療機関について委員からは、「(往診は)かかりつけ患者の急変時に行う姿が望ましい」、また「往診が真に必要な患者への対応に問題が出ないように配慮した上で、往診料の適正化を検討すべき」との声が出た。これはファストドクターのような医療機関が行う往診を減額するということなのだろうか?都市部において爆発的に需要が増える在宅医療において往診専門クリニックは必須だ。もはや新しい在宅クリニックの類型のひとつとして評価すべきだ。往診専門クリニックを根絶やしにしては、これからの訪問診療は成り立たない。
Dr.武藤の在宅医療にまつわる経験エピソードをコラムにして配信!
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長
1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

著者
武藤正樹
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
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