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ちょっとドキドキ在宅医療 エンシュアが出せなくなる!?
2026-01-06
入院で経管栄養になった患者や低栄養の患者は入院中にはメイバランスを使う。しかしこうした患者が退院して在宅に戻るとエンシュアに切り替わる。このようにメイバランスからエンシュアに切り替える理由は以下だ。
メイバランスは「特別用途食品」で、入院中はDPC包括払いに含まれて提供されることが多い。でも、在宅や外来ではメイバランスは原則として保険適用外。つまり、患者が全額自己負担になることが多い。一方、エンシュアは医療用医薬品だから、在宅や外来でも保険適用が可能、医師が必要と判断すれば、処方箋で出せて、患者は1〜3割の自己負担で済む。
実際にメイバランスを外来で自費購入すると、1本あたり400〜500円。1日2本で月60本だと約2万5千円〜3万円の出費になる。ところがエンシュアなら保険適用で、同じ量でも患者の自己負担は数千円程度に抑えられる。これは大きな差だ。
この関係はいま話題のOTC類似薬とOTC(市販薬)の関係に似ている。OTC類似薬は医師の処方せんで出せるので、1~3割の自己負担ですむ。ところがOTCは自費払いなので、同じ有効成分でもOTCの方が圧倒的に高くなる。これと同様、エンシュアは食品類似医薬品でOTC類似薬と同じだ。一方メイバランスは食品で在宅や外来では自費払いだ。
国は2026年の診療報酬改定で、エンシュアのような食品に置き換えることが可能な食品類似医薬品は、保険給付範囲を厳格化して、できるだけ保険適用からはずし、食品であるメイバランスを使うことを勧めている。
このため、次回報酬改定ではエンシュアの保険適応が長期にわたる経管栄養や外科手術後に限定されて、栄養補助食品としてエンシュアを処方することができなくなりそうだ。
実際に著者の外来でもエンシュアを処方で出している高齢者が何人かいる。いつも外来にやってくる一人暮らしのお年寄りは、かならず外来の終わりに「いつものエンシュアを出してくださいね」と念押しまでされる。
こうしたお年寄りには来年6月からは、「すみませんがメイバランスを買ってくださいね」と言わなければならないのだろうか?メイバランスは前述のように1本当たり400~500円、60本分の総額だと、2万4千円から2万7千円もする。とても年金暮らしの高齢者に、メイバランスの購入をお願いするのは気が引ける。OTC医薬品と同様、医師が必要と認める場合はエンシュアを処方することを認めるようにしてはどうだろう?
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長
1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

著者
武藤正樹
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
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