トップコラム羽田教授のれんけあコラム 連載⑥ ~「金利について」~

羽田教授のれんけあコラム 連載⑥ ~「金利について」~

2021-10-12

今号は金利について述べていきます。わが国の現状の金利動向はどうでしょうか?わが国の金利は史上最低水準の金利状態にあります。 金利は期間1年以内の短期金利と期間1年以上の長期金利に分かれます。代表的な短期金利であるコール翌日金利(インターバンク市場(金融機関だけが参加する市場)で借りたお金を翌日に返済する際の金利)は、現状-0.02%です。そして代表的な長期金利である日本国債10年物金利は0.07%です。 では金利はどのように決まっているのでしょうか?金利はお金の需給関係によって決まります。基本的にお金を借りたい人が貸したい人よりも多ければお金の需要が増えて「金利は上昇」します。逆にお金を貸したい人が借りたい人より多ければお金の供給は増えて「金利は低下」します。 金利は中央銀行である日本銀行の金融政策の影響を強く受けます。日本銀行の金融政策は物価の安定を図ることで国民経済の健全な発展に資することとしており、2013年1月より「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定めて早期実現を目指しておりました。日本銀行はこの物価安定目標を達成するため「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という金融緩和政策を継続しております。この「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」によって市中銀行が日本銀行に預ける当座預金を必要以上に預けた場合は▲0.1%のマイナス金利を適用しています。これを背景にコール翌日物という政策金利は-0.1%程の水準になっています。一方10年物国債利回りがゼロ%程度で推移するように金融調整(国債買いオペレーション)を行っています。これを受けて10年物国債利回りは0%近辺で推移しております。 このような日本銀行の行う金融政策を受けて現行の金利水準は極めて低い水準となっています。コロナ禍において当面はこれらの金融緩和政策は継続するものと予想されます。 では、皆様が設備投資に関わってお金を借りる時の金利はどうでしょうか?これまで説明した日本銀行の金融緩和施策を受けて、現状の銀行の貸出利率も非常に低い水準になっています。全国銀行協会が発表している国内銀行貸出約定平均金利は1%以下で推移しております。また独立行政法人医療福祉機構の医療設備貸し出しの金利も0.7%(期間10年)と非常に低い水準となっています。 銀行借入に際しての金利は、借入れ先の信用状態(借入先の格付)と借入期間(期間が長い方がそれだけ返済のリスクがあるため金利は高くなります)によって決まります。 現行の日本銀行の金融緩和政策によって当面は低い金利水準で独立行政法人福祉医療機構や銀行から借り入れることも可能です。しかし、低い金利での資金調達は可能ではあるものの、設備投資に伴う返済計画は慎重に検討する必要があります。
羽田明浩

著者

羽田明浩

国際医療福祉大学教授・経営学博士

1986年立教大学経済学部卒、同年三井銀行(現三井住友銀行)入行。2004年国際医療福祉大学勤務(出向)、2008年立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA取得)。銀行本部医療機関担当、大手医療法人本部勤務(出向)を経て、2013年立教大学大学院経営学研究科博士後期課程修了・博士(経営学)取得。同年より現職。