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ドクターゴンのれんけあコラム 連載⑨ ~開業時の苦労。~
2022-01-17
名の売れた大学病院の救命救急外科医だった私は、関連病院での当直や手術で結構な報酬を得ていたが、開業に足りるまとまった資金は一切無かった。沖縄の地方銀行が融資してくれた800万円が全てだった。
家内が管理していた積立型生命保険を全て解約して一家の生活に充てることにしたが、貯蓄に興味無い私はその存在を知らなかった。最初の診療報酬が入る3カ月後まで、ギリギリの生活で準備にあたった。
父の実績と自分のブランドで初日から押し掛けると踏んでいた患者は、二週間待っても一人も来なかった。在宅医療の申し込みも無く、焦って派手な緑色に「Dr.GON」の看板を付けたダイハツミゼットⅡで、宮古島内の目立つ場所を走り回った。医師会では、父の後輩の重鎮達が、「それ見たことか」とほくそ笑んでいた。やはり父の古巣である宮古保健所の所長には、「君の父は、在宅医療なんて隙間産業は考えなかった。」と言われた。
私が、「これは将来主流になる医療です。」と断言すると、「私は君を心配して言っている。」と、苦虫を噛み潰したような顔をした。
筆者プロフィール
泰川 恵吾(やすかわ けいご)
医療法人鳥伝白川会 理事長 ドクターゴン診療所
平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島、神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。

著者
泰川恵吾
医療法人鳥伝白川会理事長
平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島・神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。
