トップコラムDr.武藤の「ちょっとドキドキ在宅医療」⑮ ~在宅診療あるある話~

Dr.武藤の「ちょっとドキドキ在宅医療」⑮ ~在宅診療あるある話~

2022-07-29

横須賀で週に1回金曜日の午後に在宅診療のお手伝いをしている。在宅診療をはじめてこの7月でまる2年になる。そこで今日は、在宅診療あるある話を・・・。 なにより在宅診療に出るようになって、お天気が気になるようになった。台風の日でも、大雪の日でも休むわけにはいかないので前日からお天気が気になる。最近では夏日が続く中、在宅の患者さんの熱中症も気になる。逆に春や秋のすがすがしい季節の訪問診療は楽しみだ。季節と自然の移ろいを楽しむことができるのが在宅診療の良いところだ。 在宅診療に出ると運動になる。病院の外来や老健での診療では一日中、院内での仕事で運動量も少ないが、在宅診療は運動になる。車で患者さん宅に向かっても、駐車場から患者さん宅までに坂道や階段の多い横須賀では結構な運動になる。おかげでスマフォの歩数計はいつも金曜日が週の中でも唯一1万歩を超える日だ。在宅診療は健康にもいい。 在宅診療に出かける前はトイレが気になる。一度、診療に出ると3~4軒のお宅を回る。その間はトイレに行けない。患者さん宅のトイレを借りるのも気が引けるので、トイレは必ず済ませてから出かける。 在宅診療では、いつも訪問している馴染みの患者さんのお宅での患者さんや家族との会話が楽しい。忙しい病院外来での患者さんとの関係では、なかなか味わえない会話の楽しさを在宅では味わうことができる。また初めて訪問する患者さんのお宅では、ちょっと緊張するけれど、新しい出会にもあえて新鮮さも感じる。 また移動中の車の中で、同行する看護師さんとの会話も楽しい。患者さんの話題が多いけれど、在宅クリニックの同僚の医師や看護師さんの気になるうわさ話にも耳ダンボだ。でも移動中に車で道に迷うのも訪問診療のあるあるだ。新人看護師さんの運転で、道に迷って、同じところをぐるぐる回って、なかなか患者さんのお宅にたどり着けなかったこともあった。 けれど、なによりも在宅診療の良いところはじっくり気長に患者さんに接することが出来る点だ。また自宅の暮らしの中で、患者さんと向き合えるのが一番いい。病院や施設では見られない素顔の患者さんに接することができる。在宅診療のだいご味だ。
武藤正樹

著者

武藤正樹

社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役

社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

武藤正樹の著書

病院経営MASTER VOL 9.1

病院経営MASTER VOL 9.1

れんけあ広場のコラム「ちょっとどきどき在宅医療」が一冊に!在宅医療の実践物語。

Amazonで見る