ちょっとドキドキ在宅医療 訪問リハ
2025-06-01
ときどき衣笠ろうけんの訪問リハビリで理学療法士さんと一緒に患者宅を訪れることがある。訪問リハでは下肢切断の患者さんにで会うこともある。下肢切断と言っても色々あるが、ポイントは膝が残っているかいないかでリハビリが全く異なることだ。膝が残っているいわゆる膝下切断では義足をつけて歩行も可能だ。
先日も訪問リハビリ先で膝下切断の方のリハビリの進捗状況を見に出かけた。50代の男性、糖尿病性足壊疽で膝下切断をされた方だ。義足をつけての二本杖歩行で、近くのコンビニまで買いものにも出かけられるようになったという。
ただ膝を残せない膝上切断は大変だ。70代の男性で、心房細動で血栓が左下腿動脈に飛んで下肢の急性動脈閉塞を起こした方だ。この方の場合、左大腿部からの切断で膝上切断だ。退院まじかなので衣笠病院のリハビリ室に患者さんを訪問した。自宅の状況を聞くと、自宅玄関前に階段があるという。車いすを下ろすのが大変そうだ。結局訪問リハビリになった。
お話を聞くと、退院後の自宅の家屋改修が大変そうだ。2階の自室を1階に移し、屋内の車いす移動のための自宅内の動線調査が必要そうだ。スロープなどの家屋改修も必要そうだ。それに訪問診療の準備もしなければならない。
さて下肢切断で一番多い疾患は糖尿病だ。最近、糖尿病患者約5,000人を対象に、5年間前向きに追跡した「福岡県糖尿病患者データベース研究」で、日本の糖尿病足病変の実態が明らかになった。それによると、糖尿病足病変の年間発症率は0.3%、切断率は0.05%と言う。日本の切断率は海外の報告に比べて10分の1程度と少ないという。
確かに著者も1980年代後半に米国留学しているとき、糖尿病による下肢切断があまりに多いのびっくりしたことがある。下肢切断は日本では整形外科の医者が行うが、米国ではその頻度があまりに多いので、一般外科医も行っていた。このため外科病棟に下肢切断の患者が入院しているのだ。
また米国には糖尿病の治療成績を評価するのに人口あたりの足切断率と言う評価指標まであって2度ビックリしたのを覚えている。
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長
1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

著者
武藤正樹
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
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