トップコラムドクターゴンのれんけあコラム 連載⑦ ~そして地域医療へ~

ドクターゴンのれんけあコラム 連載⑦ ~そして地域医療へ~

2021-10-15

救命救急を志して10年、医局人事で新宿の大学病院救命センター医長に戻ってからは患者さんの自宅へ行くことも無くなり、ただ救命することを目指してきた自分に理由無く物足りなさを感じるようになった。 阪神淡路の被災地に国際救助隊として出動し、避難所で生活する被災者やボランティアと共に過ごしたことで、生活の場の大切さを再認識した。都立全寮制男子校の8人部屋で思春期を過ごした私には、生活感があまりない。だから、他人の生活を間近に感じることは新鮮だった。ただ呼吸心拍が安定すればそれで良い、という考え方に大きな変化があった。 親を亡くして夜泣きする子供達や、夫を亡くして赤ん坊を抱いたまま水も飲まない若い母親は、これまで俺が目指した救命技術で救うことはできなかった。 命を救うということは、生活や未来を取り戻すという事なのだと思うようになった。理想とする救命医療の実現には、地域医療と在宅医療こそが必要だと理解した。   筆者プロフィール   泰川 恵吾(やすかわ けいご) 医療法人鳥伝白川会 理事長 ドクターゴン診療所  平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島、神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。
泰川恵吾

著者

泰川恵吾

医療法人鳥伝白川会理事長

平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島・神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。