トップコラムDr.武藤の「ちょっとドキドキ在宅医療」⑬ 死亡年齢最頻値~死者の山のピーク~

Dr.武藤の「ちょっとドキドキ在宅医療」⑬ 死亡年齢最頻値~死者の山のピーク~

2022-05-30

70歳をすぎたころから新聞のお悔み欄の死亡年齢に目が行くようになった。以前、お年寄りが「新聞で最初に読むのがお悔み欄」と言っているのを聞いて、「へ~、年を取るとそんなものなのか?」と思っていたが、いつの間にか自分がそんな年になった。人はいくつまで生きるのだろう。 どうも「平均余命」は実感として短いような気がする?2017年の平均余命は男性81.09歳、女性で87.26歳だ。でも実際には人はもっと長生きだ。 実は平均寿命よりより実感に近い値が「死亡年齢最頻値」という値だ。年齢ごとの死亡頻度をみたグラフだ(図表)。この2017年の数字をみると、その年の男性の平均寿命が81.09歳だが、死亡年齢最頻値は87歳だ。女性は平均寿命87.26歳が死亡年齢最頻値は93歳だ。死亡年齢最頻値のほうが実感に合っている。何事も平均だけでは分からない。その頻度を見ることが大事だ。 図表でみると、男の死亡年齢最頻値の87歳は満で数えれば米寿、女は93歳は卒寿の3年後だ。この死者の山のピークは見上げるほどの高い。しかもこの山の頂は年ごとに遠のくのだ。2022年の現在では、男女とも年齢はあがり、山のピークも高くなっているはずだ。死者の山の登山者にとって、登れば登るほど、ピークがどんどん高くなり、そして遠のく。 以前、この連載で「生命表の断崖」のお話をした。70歳を超えると生存率がジェットコースターのように落ちていくという話だった。死亡年齢最頻値でみると同じ生命表が上りのジェットコースターのように見える。ジェットコースターで落ちたり登ったりと忙しい年代だ。 図表 死亡年齢最頻値(2017年の生命表から)
武藤正樹

著者

武藤正樹

社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役

社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

武藤正樹の著書

病院経営MASTER VOL 9.1

病院経営MASTER VOL 9.1

れんけあ広場のコラム「ちょっとどきどき在宅医療」が一冊に!在宅医療の実践物語。

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