トップ › コラム › ちょっとドキドキ在宅医療 リハビリ1単位20分
ちょっとドキドキ在宅医療 リハビリ1単位20分
2025-12-03
ときどき横須賀の衣笠ろうけんから訪問リハビリで、患者のお宅まで理学療法士さんと一緒に行くことがある。先日も患者さんのお宅に行って、ケアマネさんや家族とサービス担当者会議も行った。その帰りの車の中で、素朴な疑問がわいた。「リハビリの1単位は20分と決められているけど、なぜ20分なの?」と、同行した理学療法士さんに聞いてみた。彼によると「1単位20分はちょっと短い」という。たとえば、訪問リハではふつう2単位40分のリハビリを行う。介護保険の枠内では1週間に6単位(120分)が上限だ。
さて1単位を20分に決めたのは2002年の診療報酬改定で疾病別リハビリが導入されたときだ。この単位制度は、医療機関がリハビリサービスを提供する際の標準化と、診療報酬の適正な算定を目的として決められた。
なぜ20分かというと、それは、患者さんへの個別療法として、効果的かつ現実的な時間配分を考慮した結果だという。20分の中に、患者の状態を評価する時間、実際の訓練時間、記録や次回の計画を立てる時間が含まれている。これだけ詰め込むには20分はちょっと短いのではと思う。
実際に屋外リハやリンパマッサージなどのリハビリは、この単位数を越えて行われていることから、来年の診療報酬改定では、単位を増やして評価することが検討されている。
一方、1単位20分と言う縛りで、20分以下のちょっとしたADL援助が評価されないという欠点もある。たとえば活動の提案、ポジショニング、離床での体重測定、環境調整、入浴方法の検討・指導、自主練習の個別指導などだ。こうしたチョコット・リハビリも評価する仕組みはないのか?
さて20分というのは確かに日常生活の中でも、イベントのひとかたまりとして、20分単位はよくあることだ。朝起きて急いで顔を洗って、歯を磨いて、ひげをそって朝ごはんを食べて、着替えるくらいの時間だ。またお風呂に入ってからだを洗って、ゆっくり湯船につかって出るまでの時間、朝の通勤で近くの駅まで歩いて行くのにちょうどいい運動の時間だ。
でも1単位20分というのは、リハビリをプロセス評価することだ。しかし時代は変わりつつある。それはリハビリへのアウトカム評価の導入だ。どんなに単位を積み上げても、リハビリの効果を示すFIMで効果が出なければ無意味だ。
リハビリも単位で評価する時代からFIMによるアウトカム評価の時代へと移り変わっている。
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長
1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

著者
武藤正樹
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
武藤正樹の著書

