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ドクターゴンのれんけあコラム 連載⑥ ~救命救急を救命したい!~後編~
2021-09-16
外科医としての研修中、術後に亡くなった患者さんの位牌に手を合わせに行ったことがある。
家族のやり場のない無念さが、背中に突き刺さった。
私はただ黙礼し、ご自宅を後にした。亡くなったのは元々の持病が増悪したためで、手術はうまくいっていた。術前に撮られた笑顔の遺影を前に、一言も発言できる雰囲気ではなかった。医者として、家庭の事情、家族のあり方を知る必要があると痛感した。
茨城の救命救急センター医長に就任した時、救命して自宅に退院した患者さん達を往診した。訪問看護のスタッフと玄関を入ると、患者さん、ご家族が笑顔で迎えてくれた。
日々の生活の中での健康管理をアドバイスし、増悪して救急搬送される場合の対応を予め予測し、連絡が入ればすぐに受け入れ準備をすることができた。
単に救命するのではなく、本人と家族が望む医療を提供することを考えるようになった。それが救命医療の質を向上させ、救急の窮迫を防ぐことに繋がった。

著者
泰川恵吾
医療法人鳥伝白川会理事長
平成元年杏林大学医学部卒業。同年東京女子医科大学第二外科入局。東京女子医大救命救急センターICU医長を経て、平成9年から宮古島で訪問診療開始、12年にドクターゴン診療所開設、平成22年に鎌倉診療所を開設。現在、医療法人鳥伝白川会理事長として、宮古島・神奈川の3箇所の診療所で離島僻地医療・在宅医療を展開している。
