トップコラムちょっとドキドキ在宅医療 団塊世代が85歳になるとき~スーパーエルダリー1000万人時代の到来~

ちょっとドキドキ在宅医療 団塊世代が85歳になるとき~スーパーエルダリー1000万人時代の到来~

2023-10-02

2025年、著者も含めた団塊世代800万人がそろって75歳以上の後期高齢者となる。少し気が早いがその10年後、2035年の日本を見てみよう。当たり前のことだが、そのとき団塊の世代はそろって85歳以上になる。戦後最大の人口ボリュームゾーンが85歳以上になる2035年は、85歳以上人口が1000万人を突破する。85歳以上人口は75歳以上を後期高齢者と呼ぶのに対して、超後期高齢者と呼ぶ。英語ではスーパーエルダリーだ。このスーパーエルダリーの人口の伸びは著しい。図表を見てみよう。2015年には494万人であった85歳以上人口が、20年後の2035年には1009万人と倍増する。その間65歳から85歳未満の前期高齢者、後期高齢者の増加は頭打ちになるので、85歳以上の人口の伸びだけが突出する。一方、全体の人口は減少局面に入っているので、2035年には85歳以上の人口が全国民の中で10人に1人となる。ちなみに図表で2060年の85歳以上人口のピークは団塊ジュニアのピークだ。 次に85歳以上1000万人の都道府県別の推計をみると、最多の東京都は約88万人、神奈川県は約70万人、大阪府は約69万人、埼玉県は55万人と、85歳以上人口は大都市圏に集中している。これは1960年から1970年代日本の高度成長期に団塊世代が就職のために大都市圏に大量移動し、そのまま高齢化したためだ。 さて団塊スーパーエルダリー1000万人の世界はどんな世界だろう。85歳以上の要介護認定率は男性3割、女性は4割なのでおよそ350万人の団塊要介護者が出現する。そして85歳以上の認知症率は45%であるので450万人の団塊認知症が発生することになる。また85歳以上の入院受療率は人口10万人対して4千人超であるのでおよそ40万人、外来受療率は人口10万人に対して1万人なのでおよそ100万人となる。  すでに病院では急性期病床ですら7割の病床が75歳以上の後期高齢者で占拠されている。そのうちの半分は85歳以上で占められている。団塊世代のスーパーエルダリー1000万人時代となるときには急性期病床の4~5割近くが85歳以上の患者で埋め尽くされているだろう。2035年はあっという間に来る。今からその対応に備えても決して遅すぎることはない。 Dr.武藤の在宅医療にまつわる経験エピソードをコラムにして配信! 社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長  1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
武藤正樹

著者

武藤正樹

社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役

社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

武藤正樹の著書

病院経営MASTER VOL 9.1

病院経営MASTER VOL 9.1

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