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ちょっとドキドキ在宅医療 ホスピス型住宅と訪問看護
2025-10-28
著者もその一員である団塊世代800万人の大死亡時代が目前に迫っている。2030年から2050年の20年間、毎年160万人が亡くなる。
日本ではかつて8割以上が病院で亡くなっていた。しかしこれからは病床が減って行き、看取りの場も病院から在宅へと移行が進んでいる。しかし「在宅で看取り」をといっても、もはや65歳以上の単身世帯が3割、老老世帯が3割を占める状態だ。とても在宅ですべてを看取ることはムリだ。これを放置すれば、団塊世代の死に場所難民で、街があふれかえる。
そんな中、ホスピス型住宅が都市部を中心に急増している。ホスピス型住宅は有料老人ホームの一種だが、医療ニーズの高い方や看取りに特化した住宅型ホームだ。その約半数に訪問看護ステーションが併設あるいは近接している。ホスピス型住宅は、基本は住宅なので病院内のホスピスより日常生活の自由度もある。外出もできる、家族との面会も自由、場合によってはお酒も飲める。わがままな団塊世代にはうってつけだ。
ホスピス型住宅の収益構造は、家賃・食費、医療保険や介護保険収入で、特に医療保険の収益が大きい。なぜなら看取り期には医療処置が増え、訪問看護師の訪問頻度が増え、複数看護師による訪問も増えるからだ。このため高額の医療費が発生する。患者は高額療養費制度で自己負担額は抑えられているが、ホスピス型住宅を運営する会社にとっては収益性が高いビジネスモデルと言ってよい。
この高収益性が中医協でも問題となっている。2023年のデータによると、月間5日~9日の訪問を行っている訪問看護ステーションが最も多い。一方、月間25日以上、頻回訪問している訪問看護ステーションもある。これらの訪問看護ステーションでは、収益率が20%超にもなり、年間医療費が2.5億円を超えるステーションが35%にも達しているという。これらのすべてがホスピス型住宅に併設/近接した訪問看護ステーションとは言えないが、頻回訪問による医療費高騰化が課題となっていることは確かだ。
課題は訪問看護の訪問回数が出来高払いであることだ。それに患者の重症度分類が、「末期がん、パーキンソン病などの疾病リスト」と、「人工呼吸など処置リスト」を用いたいささか大雑把な分類であることだ。この重症度分類をもう少し精緻化した上で、訪問回数にかかわらず包括払いとしてはどうか?だが包括払いだと粗診粗療になりがちだ。このためホスピス型住宅における身体的ケア、精神的・スピリチュアルケア、社会経済的なケアの指標を設けてホスピス型住宅の質評価を行う仕組みも同時に導入してはどうだろう?
ホスピス型住宅はこれからの団塊世代の大死亡時代に欠かせない選択肢だ。次回の報酬改定に期待したい。
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長
1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。

著者
武藤正樹
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
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