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Dr.武藤の「ちょっとドキドキ在宅医療」⑭ ~ケアマネジャーは在宅ケアのカナメ~
2022-06-27
横須賀で週一回の訪問診療を行っている。6月の梅雨の晴れ間に切通しのトンネルを抜けて丘陵地帯にある集落を訪れた。そこは緑にかこまれたトトロの杜だ。ウグイスの鳴き声がする。患者さんの家の前の車を止めるといつもケアマネさんの車が止まっている。玄関のチャイムを鳴らすとケアマネさんが出てくれる。患者さんは視力障害と難聴があり、ベッドに腰かけている。最近、家の中で窓を開けようとして、転倒骨折して入院し、病院を退院したばかりだ。
ケアマネさんが訪問診療の時にいてくれると、訪問看護の様子やヘルパーさんの話が聞けてありがたい。また入院中のことも患者さんに代わって説明してくれる。しっかりとしたケアマネさんで、我々も頼りにしている。
ケアマネさんはケアプランを作るのが仕事だ。しかしこのケアマネさんのように在宅の現場にも出てきて、我々の話も聞いてくれるケアマネさんはそんなにはいない。先週、訪問したときはそのケアマネさんが居なくて、ヘルパーさんが代わりにいた。いつものケアマネさんに会えないことで、ちょっと寂しい気がした。
在宅ではケアマネさんが欠かせない。医療ニーズが高い要介護者が最期まで暮らしていくには、ケアマネさんの腕にかかっている。経管栄養、導尿、インシュリン注射といった医療行為を担う医療サービス、身体介護、生活援助といったヘルパーサービス、時にはデイサービスやショートステイなど、在宅ケアのマネジメントの手配の要となるのがケアマネさんだ。
しかしケアマネさんは忙しい。なかなか在宅の現場に出てこれない。忙しい介護保険事務の作業の合間を縫って現場に来てくれるケアマネさんはありがたい。ケアマネ事務所のICT化やAIケアプランでケアマネさんの仕事を効率化して、現場にも出てこられるようにしてほしいものだ。
患者さんのお宅で、ケアマネさんと会うたびに、そう思う。

著者
武藤正樹
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 よこすか地域包括ケア推進センター長 1949年神奈川県川崎市生まれ。1974年新潟大学医学部卒業、1978年新潟大学大学院医科研究科修了後、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中1986年〜1988年まで当時の厚生省の留学制度でニューヨーク州立大学家庭医療学科留学。1988年厚生省関東信越地方医務局指導課長。1990年国立療養所村松病院副院長。1994年国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長。1995年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授、2013年4月より国際医療福祉大学大学院教授(医療経営管理分野責任者)、2010年より国際医療福祉大学クリニックで外来診療にも携わる。
武藤正樹の著書

